もしかして水虫? 夏になると「かかと」がガサガサになる原因と対処法
ー はじめに ー
夏のガサガサ「かかと」 原因と対策をしっかりと知っておいてください。
夏の時期、乾燥なんてしてない、むしろ湿気でムシムシしているのに「なんで、かかとがカサカサになるの?!もしかして水虫?」 と心配している方、結構多いと思います。
冬であれば湿度が低く部屋の中も乾燥していますから、「かかと」と言わず「くちびる」や「手」も乾燥しますよね。
でも、なぜ夏の湿度の高い時期に「かかと」が乾燥したようにガサガサになるのでしょう?
それにはいくつかの理由が考えられますが、代表的なのは「水虫」「外気と紫外線」でしょう。
「水虫」は「白癬菌」の感染によって皮膚が変質し皮が剥けるものが多いので、イメージしやすいかと思いますが、「外気と紫外線」は分かりづらいかもしれませんね。
でも考えてみてください。
夏は「素足」でサンダルを履きませんか?
冬に比べて「外気」にさらされてる時間がとても多くなります。
部屋の中でも靴下やルームシューズなどは履きませんよね。
それだけ、乾燥のリスクがあり角質の水分が失われやすいんです。
夏の「かかと」のガサガサ…
原因と対策をしっかりと知っておいてください。
「かかと」がガサガサになる原因とは
「かかと」に限らず「皮膚」は外部からの刺激に対して自らを守るために硬くなります。
ちょっと難しく言うと、「摩擦」や「圧迫」など刺激を受けると「皮膚」はまず「メラニン」で保護しようとします。
サンダルのベルトの部分や、指先の関節が黒ずんだように見えるのはそのためです。
そして、それ以上の刺激を受けると「ケラチン」というものを生成し始めます。
「ケラチン」はタンパク質の一種ですがとても硬いものです。
これがおおきくなってくると「タコ」と言われているものになるわけですね。
どれくらい硬いかというと…
例えば、人間でいうと「爪」これの主成分が「ケラチン」です。
動物でいうと牛の「角(つの)」がそうです。また、魚の「鱗(ウロコ)」も「ケラチン」です。
どれくらい硬いかが想像できたと思います。
「ケラチン」が厚く生成された「タコ」は足の裏「ヒールダコ」とも呼ばれるものや、指の関節に出来るものが多いですが「かかと」にも、もちろんできます。
「かかと」のふちの輪郭に沿って硬く厚くなるものや、「かかとの裏」全体がタコになるケースもあります。
「かかと」は体重を受け止める非常に過酷な場所なため、足の裏の中でも一番筋肉が厚く角質層も厚い構造になっています。
通常、足裏の角質は20〜30層という角質の層の重なりですが、「かかと」は70〜80層と多くなります。
それだけ守らなければならない箇所ということですね。
守るための構造ということはそれだけ負荷もかかる場所ということになります。
負荷がかかればケラチンが生成されやすく硬くなりやすいということです。
硬くなった角質は代謝されてもはがれ落ちず残りやすくなります。
その、残った角質が乾燥し「ガサガサ」になるのです。
■「 かかと」に負荷がかかる
↓
■ケラチンが生成される
↓
■代謝しても剥がれ落ちない
↓
■剥がれ落ちない角質が乾燥する
↓
■「ガサガサかかと」ができあがる
これが、一番大きな原因です。
要するに、もともと角質層が厚く硬くなりやすい場所にあるうえに、さらに「乾燥」が加わり「ガサガサ」になってしまうのです。
ポイントは「乾燥」
冬は外気が乾燥しているために肌は乾燥しやすい環境にあります。
そのため、「かかと」も乾燥しやすいのですが、気温が低く寒いですから「靴下」を履いている分、保湿クリームなどで頑張ればまだ防げますが、夏は素足でいることが多く、さらに保湿クリームなどは「ベトベト」するため敬遠されがちで保湿を怠ってしまいます。
乾燥していない夏なのにかかとが「ガサガサ」になるのは「乾燥」していないようでも実は冬より乾燥させてしまっているからなんです。
水虫かどうかチェック!
あてはまったら皮膚科へGo!
見分けるのが困難
「かかと」がガサガサになっていると、見た目が気になるだけではなく「水虫」なのではないかと心配になりますよね。
「ガサガサ」「カチカチ」「ひび割れ」「水ぶくれ」「皮ムケ」 気になる「見た目」はいくつかあると思います。
実はコレ、全て「水虫」の症状に当てはまります。
しかし、だからと言って必ず「水虫」というわけではありません。
前述の「乾燥」や「タコ・肥厚」の場合もありますしその他にも、考えられる原因はあります。
■角質硬化症
■汗疱(かんぽう)
■汗負け
■汗疹(汗負け)
■アレルギー疾患
■その他の皮膚疾患
などなど… 問題は、これらが原因で引き起こした症状は「水虫」と『見分けるのが非常に困難』ということです。
見た目の症状で「水虫」であるかそうではないのかを判断することはほぼ不可能でしょう。
「水虫」はかゆい?
【水虫はかゆい】と思っている方、実はとても多いのではないでしょうか?
それを考えると「かゆくなければ水虫ではない」と思っていて放置してしまっている方も少なくはないでしょう。
しかし、「水虫」のほとんどはかゆみを発生させません。
そのまま放置して実は「水虫」だったものが悪化してしまうケースが多いんです。
本当に「水虫」かどうかは、医師が角質を採取して、顕微鏡で「水虫」の原因菌である「白癬菌」の有無を検査をすることが確実ですし、それ以外の方法はほぼありません。
では、どうやって見極めればいいのでしょう?
「水虫」は「白癬菌」の感染で起こります。 【症状】と感染する【環境】からその見極めのヒントを見てみましょう。
見極めのヒント
症状が当てはまっても前述の通り「皮膚疾患」など他の原因の可能性も高いですが、環境にも当てはまる項目がある場合は「水虫」である可能性が高くなります。
あくまでも目安ですが、当てはまったら病院で検査してもらうことをお勧めします。
【症状】
■どんどんガサガサがひどくなる
範囲が拡がったり、硬さや厚みが増すということは感染によって「白癬菌」が増えている可能性があります。
■片足だけに症状が出る
他の皮膚疾患・アレルギー・肌アレ等であれば両足に症状が出てもおかしくないですが、片足だけに症状が出るというのは感染の可能性が高いです。
■水疱(すいほう。水ぶくれのような状態)ができている
「水ぶくれ」が出来た痕に「かさぶた」のようなものができる「水疱型」の「水虫」は、5月ごろから増え始めます。汗が皮膚の外に出て行かず「水ぶくれ」になった後、皮が剥けてくる「汗疱(かんぽう)」にソックリですので要注意です。
■粉を吹いたような状態
「かかと」に多く見られる症状でカリカリに肥厚し「白い粉」を吹いたようになります。ひび割れを起こしていることもあります。
■ひび割れが深い
タコの場合でも長い間放置すると、肥厚が進みひび割れを起こしますので見極めが難しい症状です。
比較的短期間で「深いひび割れ」を起こした場合は「白癬菌」が肥厚を増長させた可能性が考えられます。
■指の間がジクジクして皮向けを起こしている
常に指と指が密着した状況で汗が長時間付着していると、皮膚がふやけて皮が剥けてきます。
ひどい場合は、指の間が割れて痛みが出ます。
この状態は「白癬菌」が住み着きやすいので、しばらく汗対策しても変わらない場合は「水虫」の可能性が高いです。
■爪が白濁
「白癬菌」が爪に入り込むと爪の中が変質して「濁ったような白い色」になり、爪と皮膚の間にポロポロと繊維状の組織が見られるようになります。
爪の「水虫(爪白癬・つめはくせん)」です。
「白癬菌」がいない場合でも、指先に強い圧迫を連続的に受けると「爪」は肥厚して白く濁ることがあります。
これも「爪白癬」とソックリな状態ですが、爪だけが白く濁るのではなく周りに「皮ムケ」がある場合や、圧迫を受けそうもない「爪」が白く濁っている場合は「水虫」の可能性が高いです。
「爪の水虫」は根治させるのに時間がかかります。内服薬が必要になる場合が多いですが、強い薬を処方されるケースが多く、肝臓など臓器に負担がかかるため、薬を飲んでいる間はお酒が飲めなかったり、制限も多くなります。
【環境】
■季節に関係ない
季節に関係なく一年を通じて同じ状態である場合は「乾燥」「汗」といった変動がある環境の原因は考えにくいので感染による疑いが高いです。
■半年以上症状が変わらない
比較的長い期間、症状が変わらないのであればこれも一つの目安と考えて「水虫」であることを疑ったほうが良いかもしれません。
■ジムに通っている
スポーツジムやフィットネスクラブ、ヨガスタジオといった複数の人が集まる施設では、シャワーやスパの出入り口などにある、裸足の状態で共用する「マット」が危険です。
常に湿度・温度が高い場所には「白癬菌」が住み着いている可能性が高く、その菌の付着が感染の原因となります。
■家族に「水虫」の人がいる
これも「共用」ということを考えると感染の危険性は高いです。
「玄関や風呂・トイレのマット」「スリッパ」「タオル」「床」などからの感染経路が考えられます。
自宅で出来るお手入れ方法
帰宅したら直ぐ水洗い(水虫対策)
「白癬菌」に限らずですが「菌」の皮膚感染はおおよそ「24時間」経つと定着すると考えられています。
そして、それまでであれば「90%以上」の確率で「水洗い」でも感染を防ぐことができます。
冬場は「毎日お風呂」という方も多いですので比較的「足」はしっかり洗われていることでしょう。
季節的にも「白癬菌」が好む環境ではないですので、危険度は高くありませんが「ブーツ」など足がムレる靴などをよく履かれる方は要注意です。
夏場は「シャワーだけ」という方は「指の間」までしっかり洗い、古い角質を残さないことが大切です。
また、「爪ブラシ」などを使って爪周りもしっかり洗うようにしましょう!
ジムやクラブに通われている方は感染危険度が高いので、帰宅したら直ぐに「水洗い」でも構いませんので、足を洗うように心がけましょう。
「汗」対策も忘れずに
「水虫」の対策としては「水洗い」が有効ですが、予防することも大切です。
慢性的に「ムレる」足の環境は「靴」を履いていれば仕方のないことかもしれません。
女性の場合、夏の時期はオープントゥのサンダルを履くことが多いので「ムレない」と思っているかもしれませんが、サンダルの場合「足裏」が密着するソールの部分は汗を吸わないものが多いと思います。
そうなると、常に汗が皮膚に付着している状況になるので「水虫」の危険性だけではなく「汗負け」などの症状になる危険性も考えられます。
素足だから故のこの季節、汗対策もしっかりやっておきましょう!
■靴下を履く
「汗」を吸ってくれる「綿」のソックスが一番いいと思います。
サンダルの場合は履かない方も多いですが、パンプスやスニーカーなどを履いていても「素足」で履いていませんか?
なるべくなら「靴下」をはいて汗を吸ってもらいましょう。
■中敷(インソール)を利用する
中敷はいろいろなものが販売されています。
特にこの時期は「汗対策」用のものも多く見かけますので、それらを利用して汗を吸ってもらいましょう。
できれば交換用のものも用意して、履く靴ごとに毎日使用するようにし、こまめに洗って清潔にしておくと「水虫」予防にもなります。
ちなみに、メーカーに聞いたことがありますが、一番汗を吸ってくれるのは「皮製」の中敷だそうです。
■パウダーで「汗」を吸わせる
パウダーは細かい「粒子」が汗を吸ってくれます。
ボディ用のものでも構いませんし、もちろん「足」専用のものであればベストです。
ただし、この時期は「汗」の量が多いので直ぐに流されてしまいます。
こまめに使用できるように携帯用の物を用意すると便利です。
フワフワ「かかと」のために
「水虫」や「皮ムケ」などの予防や対策ができてくれば、あとは「外気」による「乾燥」を防ぐためのケアが必要ですね。
角質のケアは自宅でもちょっとした手間をかけてあげるだけで簡単にできます。
季節に関係なくできることなので、少しだけ頑張ってみてください!
基本は保湿
角質のお手入れの基本は兎にも角にも「保湿」です。乾燥を防ぎ、古くなった「角質」を硬くさせないためにも「保湿」を頑張りましょう。
「足の裏」の皮膚には「汗腺(かんせん・汗を出す器官)」はたくさんありますが「皮脂腺(ひしせん・脂を出す器官)」は非常に少ないので他の皮膚と違って「皮脂(ひし)」でコーティングし水分をとどめておくことが苦手です。
使用するものは「クリーム」「オイル」なんでも構いません。
「化粧水」などでも大丈夫です。
とにかくマメに保湿してあげることが大切です。
古くなった「角質」を硬くさせなければ、そのまま代謝され剝がれ落ち、次に出てくる「角質」も柔らかい状態のままでいられます。
そうすることで良い代謝のサイクルが生まれるのです。
古い角質を落としましょう
古くなった「角質」は自然に代謝されますが、「靴」や「歩き方」の状態によっては代謝によって剝がれ落ちないこともあります。
ですので、定期的に古い「角質」はお手入れして取ってあげたほうが良いでしょう。
■お風呂で垢すり
簡単な方法としては「垢すりタオル」でお手入れする方法です。
カラダを洗う市販のものでも柔らかめのものを使用しましょう。
「角質」は傷つくとそこをカバーしようとして硬くなりますので、なるべく 負担のかからないものがベストです。
そういった柔らかいものであれば毎日お手入れしても差し支えありません。
カラダを洗う時に一緒にお手入れできるので手間がかかりません。
ただし、既に「ガサガサ」「カチカチ」になってしまった方は このやり方だと難しいので、一度プロにケアしてもらったほうがいいかもしれません。
■スクラブ
スクラブはキメの細かい粒子のものがおすすめです。
「ボディ」用でも「フェイス」用でもどちらでもいいでしょう。
キメの細かい粒子のものを使用されるのであれば、毎日でも使用できます。
「スクラブ」もお風呂でカラダと一緒にお手入れして、そのまま流せるので お手軽にケアができますね。
このやり方は「垢すりタオル」同様、既に「ガサガサ」「カチカチ」になってしまった 方は、難しいので一度プロにみてもらいましょう。
■バッファでゴシゴシ
市販の「フットケアグッズ」でもおなじみの足用の「やすり」でお手入れする方法です。
グリップがあってしっかりと取れるため、既に愛用されてる方も多いでしょう。
これであれば多少の「ガサガサ」であればケアできますので、お使いになる商品の「取扱説明」にしたがってご利用ください。
オススメは「粗い目」と「細かい目」の両面になっているものです。
はじめは「粗い目」でしっかり取って、そのあと「細かい目」の方で仕上げれば、ケアした「角質」 の面が荒れるのを防げるため「角質」が硬くなりづらいです。
削る目安は濡らした状態で行い、触ると「少しヌルヌル」するぐらいで充分です。
頑張りすぎて強く「こする」と「角質」が傷み代謝のサイクルに影響を与えてしまうばかりか 「ヒリヒリ」と痛みが出ます。
乾いた状態でも構いませんが「こする」抵抗が大きくなるため、よりソフトに行ってください。
ペースは週に1〜2回程度にしましょう。
角質ケアの注意点
「角質」は「新しい角質が作られ、古い角質は剥がれ落ちる」という代謝がスムーズに行われることが重要です。
ですから、「古い角質」を残しすぎないようにこまめにお手入れしてあげることがポイントとなります。
また、過度な負担がかかると「皮膚の防衛反応」が機能して、硬くなってしまいます。
そして「乾燥」がそれを増長させますので、「こまめに保湿」することが大切です。
「姿勢」や「歩き方」で正しい荷重がかかっていないと「角質」が肥厚して「タコ・魚の目」になりますので、「正しい姿勢や歩き方」を身につけることも必要です。
「水虫」や「汗負け」を防ぐためには「汗対策」をしっかりするように心がけましょう。
「水虫かな?」と思ったら自己判断で長い間放置せず、早めに皮膚科に行ってください。
自己判断で市販の「水虫薬」をつけたら、実は「水虫」ではなく他の疾患だった場合、症状が悪化しないとも限りません。
既に、「角質」の「ガサガサ」が自分の手には負えなくなってしまっている場合は、一度「プロ」にケアをお願いして、硬くなった「古い角質」を除去してから日々のケアを実践していきましょう。
とくに「タコ」や「魚の目」は「スクラブ」や「バッファ」ではきれいに除去することは困難です。
無理に自分で処理すると、皮膚を傷めすぎてしまいますのご注意を。
まとめ
自己判断で誤った対処をしない
セレネスでも、この時期は「角質ケア」にいらっしゃるお客様が増えます。
「皮ムケ」しているケースが多くみられますが「自分の足はそういうもの」と諦めている方もたくさんいらっしゃいます。
「水虫」に代表されるような「足の皮膚疾患」である場合は、病院での医師の治療により改善されることでしょう。
大切なのは自己判断で誤った対処をしないことです。
「皮膚疾患」ではない「かかとのガサガサ」は、ここでご紹介した「対処法」や「セルフケア」で防ぐことができます。
ただし、負荷が高すぎる環境では「肥厚した角質」は「タコ・魚の目」といった自分では対処できないものになってしまいます。
そういったケースの場合は、セレネスのような「プロサロン」で定期的にケアしてもらうことをお勧め致します。
肌のターンオーバーは約1ヶ月周期ですから、それに合わせてケアするようにすると、ターンオーバーのリズムが良くなり、いい状態をキープしやすくなります。
「自宅でのケア」と「プロサロンのケア」を組み合わせておこなえば、相乗効果が期待できますのでよりベターといえます。