タコと魚の目 Part1

足裏の角質にできる、タコと魚の目の違いと原因 

足の裏にできる「タコ」と「魚の目」 その違いや原因と対策!

はじめに

冬が終わり、暖かくなって来るとフットケアに来られるお客様が増えてまいります。

ブーツを履く機会が多かった冬の間に、しっかりできてしまっていた足裏の秘密が隠しておけない季節になりますから…
それに、新しい靴を履くと気にならなかった「タコ」や「魚の目」が気になったりします。

早めにケアして、新作のパンプスやハイヒールを履きたいですよね。

ご予約でお電話を頂くお客様の状況も人それぞれで、

「痛みは無いけど、急に気になって」とか

「とにかく痛いんで何とかしたいんです~!」などなど様々です。

その際に、ご自分の足の状態が「胼胝(タコ)」なのか、「鶏眼(魚の目)」なのかよく分からないといった内容のご質問をよく受けます。

そこで、他の記事でも説明していますが、改めてお話しておきたいと思います。

「タコ」と「魚の目」 その違い

まず、「タコ」と「魚の目」についてですがこの二つを比べてみましょう。

  • 「胼胝(べんち・俗称:たこ)」

・連続した異常な「圧迫」「摩擦」が原因で炎症を起こします。
・炎症を起こした部分を保護する為にケラチンを生成します。
・皮膚の外側にむかってケラチンが肥厚します。
・比較的広範囲にわたってできる。
・多くは炎症の痛みで焼け付くような痛みがある。

  • 「鶏眼(けいがん・俗称:魚の目)」

・連続した異常な「圧迫」「摩擦」が原因で炎症を起こします。
・炎症を起こした部分を保護する為にケラチンを生成します。
・皮膚の内側に向かって円錐状にケラチンが硬化します。
・圧迫の中心点にできるため比較的小さいものが多い。
・トゲを踏んだような刺さるような痛み。

比べてみると、よく似ていますね。このふたつ。

そう、じつは「タコ」も「魚の目」も兄弟みたいなものなんですね。

どちらも、負荷がかかった部分が炎症し、それを守るためにケラチン(※タンパク質の一種でとても硬い。爪もその一つ)が生成され、その余分なものが硬くなったものなんです。

違いはそのでき方

    • 「タコ」は広範囲に「面」でできたもの。
    • 「魚の目」は刺激の中心点に集中してできたもの。

ということがいえるでしょう。

ただし、このふたつが複合してできしまうケースも見られます。

大きくできた「タコ」のなかに部分的に小さい「魚の目」ができてしまったものや、「魚の目」を覆い隠すようにまわりにタコができてしまうケースです。
また、「タコ」なかの「魚の目」が「点」ではなく筋のように「線」が何本もできるような場合もあります。

でき方は人それぞれで個人差はありますが、「圧迫」や「摩擦」といった刺激が連続的におきていることが原因といえるでしょう。
いずれにしても、できてしまった「タコ」や「魚の目」は原因がそのままであれば、でき続けてしまいます。

どうにかして、原因をなくし「タコ」や「魚の目」をできないようにしていかないことには本当の意味での「ケア」になりません。

では、どうしたらその原因をなくす事ができるのでしょうか?

その前にまず、「なぜ、できてしまうのか?」を知っておくことが重要になってきます。

「タコ」と「魚の目」 なぜ足裏やかかとにできてしまうの?

「タコ」と「魚の目」ができてしまう「きっかけ」というか、何がいけなくてできてしまうのか?

皆さんもだいたい予想はつくと思います。

ヒールの高い靴がいけないのだと
そして、先の細い靴がいけないのだとも

そうですね、多くの場合それらが原因になっていることは間違いなさそうですね。

でも、周りにいませんか?
いつもハイヒールばかり履いているのに、タコができない人って

反対に、ハイヒールなんてほとんど履かないのにどうしてもタコができてしまう人もいるのではないでしょうか?

では、それはなぜでしょう?

荷重の乱れが原因です

実は、真の原因は足にかかる「荷重」のバランスなんです。
ハイヒールは、そのバランスを崩してしまうきっかけになってるんですね。

もう少し詳しくご説明してみましょう。

人間は二足歩行ですから、当然両足に全体重がかかります。
また、四足歩行の動物のように「前足」なんてないですから二つの「足」だけで前後のバランスを受け止めなければなりません。

バランスを取っているのは、「ひざ」「腰」「首」など、身体全体を使っていますが、それを最終的に支えて受け止めているのが、二つの小さな「足(足裏)」なんですね。

通常、正しい姿勢で立っているときは「足」の前方(つま先)と後方(かかと)に均等に荷重がかかります。
このとき荷重の中心は「くるぶし」の下あたりです。

この状態のときは、「足(足裏)」全体で体重を支えていますから、部分的な過負荷はなく、「タコ」もできにくいわけです。

つま先の荷重

では、例えばハイヒールを履いているときはどうでしょう?

かかとが高くなっていますから、当然身体は前に倒れようとします。
それを支える為につま先に荷重がかかることが多くなるはずです。

一般的に、ヒールの高さが3cm以上になると体重の85%は前方の「つま先」の部分にかかるといわれています。

この状態だと、つま先部分の負担が大きくなりそこを保護する為に「タコ」ができてしまうというわけです。

それでは、ハイヒールを履いていないときや、普段からあまりはかない人はどうなのでしょうか?

前述したとおり、真の原因は「バランス」です。

ですから、ハイヒールを履いていなくても「姿勢」がわるくてバランスを崩しているのであれば、「タコ」はできちゃうんですね。

今は、ハイヒールをはいていない人も、以前はずっと履いていたりとか、3cmくらいの高さのものでも履いていれば「バランス」を崩している可能性は充分ある考えられます。

反対に、「バランス」のいい人はヒールの高い靴をはいていてもあまり「タコ」はできないということになります。
(もちろんそれ以外にも乾燥や肌質などの理由で、できやすさには個人差はあります)

もうひとつ。

かかとの荷重

これまでは、「足」の前方(つま先)の「タコ」についてお話しましたが、それとは別に後方(かかと)にも「タコ」ができる人っていますよね。

じゃあ、それってどうなの?とお思いでしょうが、コレについても同じことが言えます。

つまり「バランス」の崩れですね。

かかとに「タコ」ができるのは、後方に荷重がかかっているからです。

多くの場合、前方にかかる荷重を正そうとして、もしくは楽な体制をとろうとして、かかとに体重をかけてしまう事が原因と考えられます。

つまり、分かりやすくいうと「休め」の姿勢をとっているときはかかとに体重が乗りますよね?
これが後方荷重というわけです。

「つま先」と「かかと」両方は?

つま先とかかと両方に「タコ」ができてしまう場合は、この二つの複合タイプで、前方に荷重がかかっている状態と、後方に荷重がかかっている状態が日常の生活の中で混在しているのでしょう。

例えば、

    • 「歩いているとき」ときは前方荷重
    • 「立っているとき」は後方荷重と

いった具合ですね。

なんだかややこしくなってきましたね

でも、この「タコ」や「魚の目」ができてしまう理屈を知っているのと、知らないのでは「ケア」に大きく関わってきますから、ぜひ理解してくださいね。

できれば、気がついたときに「今自分の体重はどこにかかっているのかな?」と試してみてください。
すぐにわかると思います!

確かにハイヒールは「タコ」や「魚の目」ができてしまう、大きな原因ですが、それによって引き起こされる「バランス」の崩れの方が重要だったんですね。

そうなると、正しい「バランス」ってどういうこと??? と思いますよね。

それは、「姿勢」と「歩行」と密接に関係してきますので、それをお話していきます。

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