2024年7月の一言 「夏バテとウ・ナ・ギ」

コンディショニングサロン・セレネス

≪今月の一言≫

「夏バテとウ・ナ・ギ」

○――――――○――――――○

さて、夏本番の7月です。

遅い梅雨入りだった割には、梅雨明けは平年並みと予想が出ております。
まぁ、ジメジメした梅雨が短いのはいいと思いますが、気候変動がコワイ…

でも、今年は梅雨が明けてもスッキリしない天気が続く…
みたいな予報が…

梅雨明け後も安定した天気は続きにくく、雨や雷雨が多い見込みです。
地球温暖化や春まで続いたエルニーニョ現象の影響で地球の大気全体の
気温がかなり高くなっているため、太平洋高気圧が強まれば、昨年に匹敵
する猛暑となる可能性があります。 by 日本気象協会

普通、梅雨明けしたら「スカッ」と爽快な夏がやってくるのに、出鼻をくじかれたような気がしますね。
しかも、猛暑…
昨年も暑かったですから、今年も気が重いですねぇ

夏バテ・熱中症には十分注意しましょう!

そこで、夏のスタミナ対策のお話です。
夏のスタミナ源と言えば「鰻(うなぎ)」が真っ先に思い浮かびますが、この認識ちょっと間違って捉えている人も結構いると思いますので、そのへんのお話です。

「夏バテには鰻!」「土用の丑の日には鰻を食べよう!」

なんの疑いもなくそう思っている…
そんな方にぜひ知っておいて欲しい「夏の鰻」のその真実!

今回は「夏バテとウ・ナ・ギ」でございます。

まずは、夏バテに効くというからには、そらぁそれなりに栄養満点なんだよね?
という「鰻の栄養価」をさらけ出しましょう。

・ビタミンA
   体の粘膜を保護し、免疫力を高める。
・ビタミンB群
   新陳代謝を促す。疲労回復に効果的。
・ビタミンE
   血液サラサラ効果。また、細胞の老化を防ぎ、若返らせる力あり。
・EPA
   血行を良くし、ダイエット効果がある。
・ムチン
   たんぱく質の吸収を効率化。粘膜保護にも効果的。
・亜鉛
   細胞やエネルギーを作る働きあり。疲労回復効果大。

とまぁ、なんとも素晴らしい栄養価でございます。

 ー おおぉ! じゃ夏バテに効くね!

まだ早い!
問題は別のところにあります!

実は鰻、体の約3割〜4割が脂肪です。
完全に「コッテリ系」です!

 ー それが美味しいんじゃん

はい。

対して、夏バテですが、夏バテとはどういう状態でしょうか?

夏バテは猛烈に暑い外気温と、エアコンのバッチリ効いた室内温との差で自律神経が狂ったり、大量の汗をかいて脱水症状を起こしていたり、寝苦しい熱帯夜で睡眠不足になったりして、体調を崩している状態ですね。

要するに体の機能が著しく低下しているということです。

そんな状態で「コッテリ系」うなぎを食べたらどうなるでしょう?

 ー やな予感…

そうです、かなりの確率で「胃もたれ」を起こしますね。
場合によっては、消化不良を起こし「下痢」します。

 ー うっ

どれだけ栄養価の高い鰻で、どれだけ美味しくても、夏バテの状態じゃ
体が受け付けません〜
逆効果です!

 ー じゃ、なんで「夏バテには鰻」なの?

正しくは「夏バテ予防には鰻」なんです。
ここ大事です。
「予防」にはとても効果的なんです。

夏バテの前か後かの違いですが、大事なんです。

「ダメだ、夏バテだ。鰻でも食べて…」

ではなく

「ちょっと夏の疲れが溜まってきたから、鰻でも食べて…」

が正解なんです。

夏の暑さで食欲が落ちて、体力も奪われがちですが、そんな時に体調不良を感じる前の段階で鰻のお世話になりましょう。

この鰻の効果は、古くは奈良時代から万葉集にも歌われています。
大伴家持が石麻呂という人に言ったという歌があります。

「石麻呂にわれもの申す夏やせによしといふ物ぞ鰻とりめせ」
(訳:鰻は夏痩せに効果があるといいますよ、捕って食べなさい、と私は
 石麻呂に言ったのです)   by 万葉集

昔から、鰻はポパイのホウレンソウ的な食べ物として知られていたんですね。

ところで、「鰻=夏」みたいになってますけど、本来「天然鰻」で言えば旬は冬だって知ってました?

 ー そ、そうなの?

ではなんで、夏に食べるものとして定着したかというと…

ここからが、商業的戦略の闇でございます。

今回の犯人は「平賀源内」

江戸時代の有名な発明家ですね。

この平賀源内、当時から有名人で、影響力も強かったらしいです。
要するに今で言う、インフルエンサーですね。

その平賀源内が、本来は冬が旬の鰻は夏場には売れない…
と悩んでいた鰻屋に相談されたのがきっかけらしいです。

いくら夏バテ防止に効果抜群の鰻でも、旬が冬ではそりゃそうでしょう。

そこで源内さん、当時「土用の丑の日に「う」の字のつく物を食べると良い」
と言う町人たちの噂にかこつけて

「土用の丑の日は、みんなで鰻を食べよう!」

と言う、看板を鰻屋の店頭に掲げさせたところ、面白いように鰻が売れるようになったのだとか。

いつの時代も、モノを売るには「戦略」ありきなんですね〜
と言うか、源内さんが「神」すぎるのか…

この源内さん自身が書いてる本の中でも「土用の丑の日に鰻を食べると、とても元気になります」と綴ったんですね。

その影響も強かったので、夏に鰻を食べる習慣ができたとされています。

いかがでしたでしょうか?
今では、鰻は養殖メインなので、いつでも「旬」的に食べることができます。
この夏は猛暑が予想されていますので、夏バテしてしまう前にちょっと奮発して、鰻を食べて猛暑対策してみては?

以上、いつの時代も「人」は踊らされる
と言うお話でした。

 ー こらっ!

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