コンディショニングサロン・セレネス
≪今月の一言≫
意外と深いぞ「桜餅」
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さて、いよいよ4月となりました!
寒い冬も終わり、これから暖かな春に向けてスタートです!
まあ、今年の冬は寒いんだか暖かいんだかよくわかりませんでしたが、とにかく春の始まりですね〜
今年の桜の開花は「例年より早くなる」との予想が早々と出ていましたが
「あれ?』
「蕾もまだじゃん!』
という状況で、とっても久しぶりに「4月の桜」となりそうですね。
近年では「卒業に桜」というイメージで「別れ」や「旅立ち」という感じのものでしたが、私の子供の頃のイメージでは「入学」や「新学期」の頃、という感覚が残っています。
なので「出会い」とか「始まり」という感じで、桜が咲くとワクワク感がありました。
ま、「お花見」ということでは「花より団子」で常にワクワクしていたものですが…
今年は、新しいスタートを後押ししてくれるような、本当に久しぶりに「4月の桜」となりそうです!
さて、今回は「桜」を感じられるお話を少々…
「桜」にまつわるものと言ったら
「桜餅」ですよね!
ー 食べ物にいくのね…
桜餅の始まりは、江戸時代。
隅田川沿いの「長命寺」の門番であった「山本新六」という人が、桜の葉の塩漬けを使った「和菓子」を門前で売り出したのが始まりとされています。
私のイメージでは、淡いピンク色のクレープのような生地であんこを巻いて、桜の葉ので包んでいる「桜餅」ですが、桜の葉で巻いている和菓子には「道明寺」というこれまたピンク色の和菓子も有名ですよね。
このふたつ、別物の和菓子だと思っていましたが、意外なところでつながりが…
先述の山本新六さんの和菓子は「長命寺桜餅」とも言われ主に東日本で親しまれています。
一方「道明寺」は関西を中心に全国に広まったものだそうです。
で、この「道明寺」は山本新六さんが売り出した「長命寺桜餅」を参考にしてパクったそうです。
ー 怒られますよ!
餅米のプチプチ感がたまらないあれですが「道明寺」というお寺の人がパクったわけではなく、道明寺にルーツを持つ「道明寺粉(蒸した餅米を乾燥させて粗く挽いた粉)」を使って作られているからなんですね。
パクった犯人はいまだにわかりません。
ー いい加減にしようね
というわけで、道明寺粉を使った和菓子は「道明寺桜餅」とか「関西風桜餅」と言われているんですね。
だから別物の和菓子でも、関東風と関西風の違いこそあれ、どちらも「桜餅」なのでした。
このふたつ、どちらも桜をモチーフにしていますが、共通するのは「ピンク色」「あんこ」「桜の葉」です。
そしてこの「葉」こそが今回のテーマです。
ー 前置き長いな…
このどちらの桜餅にも使われている「桜の葉」ですが、結構な意味があります。
使われているのは「オオシマザクラ」という桜の葉っぱ。
これには「クマリン」という成分が含まれており、殺菌作用があります。
このクマリンは天然香料としても知られており、化粧品や医薬品にを使われていますが、大量に食べると肝障害を起こす毒性もあります。
そののため、食べないほうがいいという人たちもいますが、毎日何十枚も食べなければ肝障害は起きないので、たまに食べる数枚なら全く問題ないとされていますし、今では、糖尿病患者の血糖や血中脂肪を低下される可能性も期待できることがわかっています。
お店によっては「取らずに一緒に食べてください」とか「葉っぱは取って食べてください」とか言われることもまちまちですが、お好みで大丈夫です。
この殺菌作用があることから、お餅の傷みを防ぐ効果もあるのだとか。
ー 冷蔵庫のない時代の知恵ですな。
他にも、
・お餅を乾燥から防ぐ
・香り付けをする
・味のアクセント
塩漬けにされた葉っぱは、塩チョコみたいに甘さを引き立ててくれて、香りも感じられるので私は好きです。
ところで、似たような和菓子がありますよね。
端午の節句に食べる「柏餅」です。
ー え?じゃあ柏餅も?
そう、柏餅には「オイゲノール」という成分がありこれも殺菌作用があるために柏餅ちを包む意味は桜餅と同じようです。
ですが、こちらは少し違う意味もあるようです。
柏餅に使われる葉は「柏」の葉、関西では「サルトリイバラ」という木の葉も使われるようですが、「柏」の葉は兜の形に似ていることから、端午の節句にふさわしいといわれるようになりました。
柏は秋になっても落葉せず、年を越しても新しい芽が出るまで葉が落ちないという独特の習性から、子孫繁栄を願う縁起物として扱われています。
ー ちょっと桜餅とは違う深い意味があるんだね
あと、柏のはには強い苦味があるために、一緒に食べるには向きませんのでどちらかというと、保存目的が強いかと…
柏の葉は丈夫なために、もともと食材を包む容器としても使われていました。
その名残と、端午の節句の意味ありがマッチしたのではないでしょうか?
それに、お餅はベトベト手につくので食べやすいというのもあるでしょう。
これは桜餅にも言えますね。
ー なるほど!
ところで、なぜこれらの木々の葉っぱには殺菌作用が含まれるのでしょうか?
ー そういやなんで?
この葉っぱに含まれる殺菌作用を持つ成分たちは「フィトンチッド」とも言われています。
フィトンチッドという名前は、ロシア語で、フィトン=「植物」チッド=「他の生物を殺す能力を有する」という意味で、ロシアの科学者が発見し命名しました。
葉っぱだけではなく、植物が持つ生命力の一つといえます。
フィトンチッドは、自由に動き回ることのできない植物が、害虫などの外敵から攻撃や刺激を受けたり、傷ついた時でも病原菌に感染しないように傷口を殺菌したり、害虫を寄せ付けない為にフィトンチッドを作りだし、発散することによって、自らの身を守る為だとされています。
これは私見でもありますが、例えば殺菌作用を持った葉が落葉して葉が地面に落ちると、その周りは他の生物に対して攻撃力を持ちます。
そうすることで、自分に有利な場所を作り種子が発芽しやすくなります。
昆虫や鳥といったすべての生物に対してではなく、共生したくない自分たちにとって
有害となる菌類などには特に有効なのではないでしょうか?
ー 植物スゲー
近年、フィトンチッドには
1、消臭
2、除菌・抗菌
3、リラックス
4、抗酸化
といった、私たち人間にとっても有益な作用があることがわかってきました。
森林浴が気持ちいいと感じるのは、フィトンチッドのリラックス効果だとも言われています。
しかし、すごいのはフィトンチッドなんて知らない時代の人たちが、それを巧みに利用して、文化に取り込んできたということですね。
ー 人間スゲー
最後に「桜」にまつわる話をもうひとつ。
皆さんは「サクラ(偽客)」なるものはご存知ですよね。
主催者側や販売者側に雇われて、盛り上げたり買ったりして、他のお客さんを焚き付けるようにする人たちのことです。
パッと咲いてパッと散る「桜」のように一瞬盛り上げたり、焚き付けたりすることから「サクラ」と言われるようになったのだそうです。
これも、江戸時代の歌舞伎から始まったそうですので、先人たちの知恵と言えなくもない…
ー 全然関係ないじゃんか!
以上。
最後はいらなかった…
というお話でした。