むくみ

原因とあまり頑張らないむくみの対策

はじめに

「むくみ」について その前に…

「むくみ」といっても一過性のものもあれば、内臓疾患やホルモンバランスの異常などによる病的なものまであります。

一過性のものは、血行不良を改善し疲労回復を図ることができれば、解消するものがほとんどです。

病的なものは慢性的に「むくみ」が発生していたり、部分的ではなく体全体に「むくみ」が発生したりします。
また、つらさや痛みが出ないこともあります。

この病的な「むくみ」は重大な内臓疾患が原因の場合も考えられるので、「おかしいな?」と思ったら病院で検査を受けることをお勧めいたします。

ここでは、一過性の「むくみ」について「メカニズム」や「原因」「対処法」などをお話させていただきます。
一過性とはいえ、毎日のように夕方になるとつらくなりますし、悩みの種としては「タコ」や「魚の目」と同じくらいのものですよね!

以前にも「むくみ」に関しては他の記事でご紹介してますが、皆さんの関心も高いことでもありますので、改めてお話させていただきます。

「むくみ」とは? と、そのメカニズムについて

ではまず、「むくみ」のメカニズムについてです。

「むくみ」を簡潔にご説明すると、

血管の外側の組織に余分な水分がたまっている状態

ということになります。

余分な水分というのは「血漿(けっしょう)」といわれるもので、「血液」の中の赤血球や白血球、血小板を除いた液体成分のことです。

働きとしては血管の外にしみ出してまわりの細胞に「栄養」を与え、それらの細胞が排出した「老廃物」を回収したのち、ほとんどが「毛細リンパ管」に入ってリンパの液体成分である「リンパ漿」となり、体を巡回してまた血液に戻ります。

ところが、「何らかの原因」でこの「血漿」がリンパ管に入れず、過剰に溜まってしまうことがあります。それが「むくみ」となって現れるのです。

「何らかの原因」とは?

「血漿」がリンパ管に入れなくなってしまう「何らかの原因」とはいったい何でしょうか?
実際のところはまだ研究段階で正確には解明されていないようですが、考えられている有力な説としては

    • リンパ管の収縮
    • 水分の過剰な供給
    • リンパの流れ自体の滞り(血行不良)

があげられています。

リンパ管の収縮

ひとつめの「リンパ管の収縮」についてご説明していきます。

「リンパ管」は体のなかの「下水道」的な役割ですから、体の表面を網の目のように覆っています。

当然、「上水道」である血管から各細胞に渡された老廃物入りの「血漿」を受け取るわけですから、血管の近くに存在します。

血管は心臓からのポンプの力以外にも、「筋肉」による伸縮運動にサポートされて血流を起こすため、常に伸縮される状況にあります。
もちろん、「リンパ管」も「筋肉」のサポートを受けて常に伸縮運動を受けることで緩やかな流れを起こして、体をめぐっています。

つまり、筋肉の影響を受けやすい状態にあるということが重要なんですね。

「むくみ」の原因となっている「リンパ管の収縮」は、ひとつには「筋肉」の「こりや緊張」によって圧迫が生じ、「伸縮運動」ができなくなることで「血漿」を回収できなくなるということがあるんです。

そのほかにも、「ストレス」による「リンパ管の収縮」があげられます。

「ストレス」の原因にはいろいろとあり、特定は難しいですが、この「ストレス」からくる「自律神経の乱れ」が「交感神経」を作用させ、体を興奮状態(緊張状態)にさせます。
このことが特定部位の血管を収縮させたり「リンパ管の収縮」を引き起こしたりしてしまうんです。

このへんは、運動不足とか睡眠不足が関係深そうですね~

水分の過剰な供給

「むくみ」の原因としてあげられる「水分の過剰な供給」についてお話いたします。

「水分の過剰な供給」といっても単に「水分の摂り過ぎ」というだけではありません。

もちろん、水分を摂取しすぎれば余分な水分が体に溜まり、結果として「むくみ」につながりますが、それは水分がきちんと「排出」されていない場合のことです。

例えば、水分をたくさん摂取しても「トイレに行かない」「汗をかかない」など、からだの外に水分が出て行かなければ当然余分な水分が溜まり、「むくみ」となってしまいます。

でも、だからといって、水分を控えすぎてしまうと今度は、「血液濃度」が高くなり、体にとっては危険な状態になってしまいます。
そのため、血液中に水分を取り込もうとして、過剰供給されてしまうわけです。

その結果、余分な水分が排出されずに「むくみ」になってしまいます。

成人の場合、一日に必要な水分量はというと、あくまでも目安ですが

排出量

・尿として………..1300ml
・目に見えない蒸発….900ml(不感蒸泄)
・便、他…………..100ml
合計/2300ml
 

ということで、2300ml/日必要とことになりますが、このうち「飲料」から摂取が必要とされているのは「1200mlだそうです。
しか〜し、一度に吸収できる量は250mlくらいまでといわれていますから一気に1200mlを飲んで、おなかタプンタプン状態になっても意味がありません。

適量(コップ半分~1杯)を20分~30分は空けて摂取しましょうね!

それとまだあります。

この「水分の過剰な供給」状態になってしまうケースとしてよくあるのが

    • アルコールの摂り過ぎ(お酒飲みすぎ)
    • 塩分の摂り過ぎ(おいしいもの食べすぎ)

です。

「アルコール」の摂り過ぎは動脈を拡張させ血管壁から水分が滲みだすことで静脈までもが影響を受けて水分が過剰になってしまいます。

結果として余分な水分が「むくみ」に

さらに、「アルコール」は摂取しすぎると脱水症状を起こすことがあります。
これは「利尿作用」があるためだといわれていますが、そうなると摂取した水分以上に排出されてしまい、これまた「血液濃度」を高くするので「むくみ」の原因に

さらにさらに、お酒には「おいしいつまみ」が欠かせませんが、たいてい味の濃いものになってきますよね。
味の濃いものは「塩分濃度」が高いものが多いため、血液中の「塩分濃度」が上がり、それを下げるために水分を取り込もうとして水分が過剰になります。

「ビール飲む」「おつまみ食べる」「のど渇く」→「ビールおいしい」「枝豆食べる」「のど渇く」→「ビールおい

ビール党としては普通の悪循環が実は要注意だったんですねビールは適量にしましょう!

ビールの話ではないので元に戻しますが、「水分の過剰な供給」は水分を「摂り過ぎなければいい」というだけのことではないということを忘れずにいてください。

必要な水分量を必要なタイミングで摂取することが大切です。

リンパの流れ自体の滞り(血行不良)

「むくみ」の原因の3つめ「リンパの流れ自体の滞り(血行不良)」をお話します。

上記の「リンパ管の収縮」とすこし重なる内容があるかもしれませんが原因の具体的な例として読んでください。

さて、「リンパの流れ自体の滞り」とはいったいどういうことでしょうか?
またそれは、どのようなことが原因で起こるのでしょうか?

「リンパ」は身体の表面をゆっくりとしたスピードで流れています。

それは、血管を流れる「血液」は約1分で全身をひとまわりもするような速いスピードで流れていますが、「リンパ管」や「リンパ節」自体にはそのような流れを起こす仕組みはなく、他の何らかの作用を利用して流れを起こしているからといってよいでしょう。

ちなみに「リンパ」の流れるスピードは1分間に30センチ前後といわれてます。

これが条件によってはもっと遅くなってしまうので、「滞る」きっかけとなります。

では、反対にリンパはどのような作用で流れているかというと

    • リンパ管の拍動(非常にゆっくり)
    • 筋肉の動き
    • 血管の圧力
    • 呼吸運動
    • 腸の蠕動運動

などがあげられます。

つまり、これらの作用が弱まることが「リンパの流れ自体の滞り」となるわけですネ!

では具体的にはどうかというと

  • 運動不足

筋肉の動きが少なく、リンパ管に圧力をかけることができないので、リンパの流れが促されにくくなります。
定期的な運動(ジムでの運動やスポーツ)というよりは、日常の中での運動量と捕らえたほうがいいかもしれません。
「立ち仕事」や「デスクワーク」では運動量が不足しがちになります。
なかでも、動きの少ない「立ち仕事」、テルワークや入力作業などのほとんど動かない「デスクワーク」などは特に下半身の動きが少なく滞っているはず。
これが最も大きい原因かもしれませんね。
それと、「硬くなった筋肉や脂肪」も要注意です。
これは、普段から体を動かしていない(定期的な運動をしていない)ことで筋肉の動きが悪く「筋肉ポンプ」の働きが悪い場合ですが、やはり圧力不足で「リンパ」の流れが悪くなります。
「硬い脂肪」は筋肉の動きをスポイルするだけでなく、血管やリンパ管を圧迫し「リンパ」の流れを邪魔してしまいます。

  • 冷え

体が冷えてくると人間は内臓をまず守るために、おなかに血液を集めます。
そして手足の血管は収縮し血流が悪くなるので、血管からの圧力が足りずに「リンパ」は流れが悪くなります。
体の深いところでの「リンパ」の流れは保てますが、表面に近い「リンパ」の流れは悪くなっていきます。

  • ストレス

ストレスは「交感神経」(血管を収縮し筋肉を緊張させます)と「副交感神経」(血管を拡張させ筋肉を弛緩させます)のリズムを悪くします。
ストレスを受けた体は常に「交感神経」が働く傾向があり、常に体は緊張状態で、血管が収縮してしまいます。
これが血行を妨げ「リンパ」の流れを悪くしてしまうのです。

どうですか、主なものを3つほどあげましたがお気づきでしょうか?

そうです、「血行が悪くなることはリンパの流れも悪くなる」ということなんですね。
ってことは、血行を良くすることは「リンパ」の流れも良くすることで「むくみ」改善に役立ちそうですね!

むくみの対策

「そんなに頑張らなくても」をキーワードに

むくみ対策についてお話していきましょう!

これまでお話してきたのは「むくみ」の原因でした、それらが解っていれば少し気をつけるだけでも「むくみ」を未然に防ぐ事ができるとは思います。

例えば、

    • 運動不足
    • 水分の摂りすぎ

などは普段から心がけていれば、対処できない事もないですよね。
でも、そうではものもありますよね。

    • ストレス
    • 冷え

などは、解っていても対処しきれないものです。

そこで、効率よく「むくみ」の解消につながる方法を考えてみました。

極力、「そんなに頑張らなくても」をキーワードにご紹介してみますので出来そうなものを実践してみてください。

要は、血行を良くすることが「リンパ」の流れを改善し、余分な水分を排出につながりますから、まずはそのあたりから

正しく歩く!

デスクワークの人も「1日まったく歩きません」という方はまずいないはず。
そこで、歩き方に注目しましょう!

「ひざ」を伸ばし「かかと」から地面について真直ぐ「つま先」で蹴る。
これが「正しい歩き方」です。

ポイントー

足を振り出すときは、やや腰をひねって振り出す側の「骨盤」を前に出す感じです。
そして、「かかと」を地面につくときはつま先を大きく上に向けます。

この動作により、「つま先」に上下運動が生まれ「ふくらはぎ」や「すね」側の筋肉を大きく動かします。
「骨盤」が前後に動く事で「腰」から「おしり」の筋肉も動きます。
結果的に下半身の血流が改善されますね。

このとき、いま流行の「段階圧力式ストッキング」を活用してみてはいかがでしょうか。

これは、部分的な圧力の「差」が筋肉の動きによって効率よくマッサージ効果を生むものです。
「正しく歩く」ことで、より効果的に血流を改善してくれると思います。
(このストッキングをはいて「じっと」動かないでいるのは、筋肉が動かないので逆効果と思われます。要注意!)

かっこ悪いけどハラマキ!

人間の身体は冷えすぎると、大切な「内臓」を守ろうとしておなかに血液を集中させます。
その結果、身体の末端である手足から血液の量が少なくなっていき、冷えてくるんですね。
ということは、おなかを温めてあげればいいわけです。

それには「ハラマキ」が効果的です。

おなかを集中的に温める事で身体全体の血行が回復しますから、末端の「むくみ」に効きます。
人に見られたらかっこ悪いですけど、言わなきゃバレません!て

水分代謝をよくする食べ物

「水分代謝をよくする食べ物」としては「カリウム」が有名ですね!
 「カリウム」は塩分を排出し水分代謝をよくしてくれます。

イモ類やきゅうりなどの瓜類、豆類とバナナ、りんごなどの果物。それと海藻類が効果的!
(つらいときだけ食べてもだめですよ!普段からバランスよく食べるように。)

足 枕

テレビを見ながらでもいいので、足元を少しだけ高くしてあげましょう。

心臓より高いくらいでいいので、枕やクッションで充分です。
足に溜まった水分が重力で低い方に流れるので、溜まった「リンパ」も流れやすくなります。

ただし!そのまま寝てしまうと足先の血流が悪くなるので、長時間は避けましょうネ。

マッサージ

リンパは身体の表面近くを流れています。
グイグイやって疲れる必要はありません。
表面を軽く擦るような感じで大丈夫。

太ももの付け根(鼠径部)、ひざの裏、くるぶしのまわりはリンパ節があるので、円を書くようにやさしくマッサージしてあげると効果的です。

自分でやるのはめんどくさいという方は、マッサージサロンなどを活用しましょう。(できればセレネス がいいと思います。) 

まとめ

いかがですか?

これなら出来そうな感じがしませんでしょうか?
というか、これくらいはがんばりましょうョ

基本的には、規則正しい生活とバランスの取れた食事。適度な運動と充分な睡眠。
これに尽きます。

ま、これがなかなかね。

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