「タコ」と「魚の目」 防ぐために正しい姿勢と歩行
はじめに
Part1では、足裏やかかとに「タコ」や「魚の目」がどうしてできてしまうのか?
そのメカニズムや真の原因となる「バランス」のお話をしました。
Part2では、正しい「バランスとは?」についてお話ししていきましょう!
人間誰しも立っているとき、歩いているときは「倒れないように」とか、「まっすぐ歩けるように」とか、無意識のうちにバランスを保とうとします。
ただ、そのバランスは前後左右において、ぴったり垂直・水平じゃないとダメなのか?というとそうではないのですね。
ある程度幅があるというか、許容範囲があるというか、ちょっとくらい斜めになっていても立っていられるし、まっすぐ歩けたりもします。
このことは植物も含め、重力に逆らって生きるもの達にとっては、とっても重要で優れた能力なのですが、そこに落とし穴があったんですね。
少なくとも「タコ」や「魚の目」にとっては…(実はこれ、腰痛や肩こりにも共通します)
そして、「姿勢」と同じくらい正しい「バランス」に影響する「歩行」。
正しい「姿勢」や正しい「歩行」は身体の各所に負担をかけない、身体に優しい「バランス」なんです。
皆さんは普段、歩いているときに身体への負担を考えて歩いていたりはしないと思います。
まぁ、それが普通ですし、いちいち考えて歩いてはいられないかもしれません。
でもそれは、正しい歩き方を知らないから無意識に歩いているのではないでしょうか?
正しい歩き方を知って、時々でもそのことを意識して歩くこことができたら、身体への負担をずいぶんと減らせるかもしれません。
とりわけ、「タコ」や「魚の目」にとっては歩行時の「バランス」の崩れは原因を作っている最たるものと言えるのでしっかり読んでくださいね。
正しい姿勢と正しい歩行 足裏やかかとのためだけじゃない!
まずは正しい姿勢から
まず、正しい姿勢のお話しです。
私たちの身体を、真横から見たとしましょう。
そのとき、「頭」と「足」は垂直に同一線上にあるべきです。
もう少し細かく見ていきます。
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- 頭の中でも「耳」を中心に考えて
- そこから下におりて「肩」
- さらに下におりて「股関節」
- さらにさらに足の部分で「くるぶし」
までを直線で結べるラインが、横から見たときの身体の中心線です。
どうですか?
皆さんの中心線は正しく直線上にありますか?
なかなかどうして、ちゃんとした中心線を結べる人はけっこう少ないものです。
たいていの場合、「腰」(股関節のポイント)が中心線より前に出ているため、前方に弧を描く「弓ぞりタイプ」になっています。
これがどうしてそうなるのかですが、ここでハイヒールを例にとってご説明します。
立ててしまえている
ヒールの部分が高いと、重心は前に傾いて前傾姿勢になりますね。
でも、そのままだと前に倒れて立っていられないので、後方に重心を持って行こうとバランスします。
そのとき、多くの人は腰から上を後ろに反らせて「反り腰」の状態で「立っていられるだけのバランス」を保っています。
(もちろんそうではない人もいますが…)
この「立っていられるだけのバランス」というのが前述した「許容範囲の落とし穴」なんですね。
それは、ちょっと斜めで「立ってはいられる」けどバランスは崩れているということで、荷重は中心にはなく、前方(つま先)に残したまま、「身体はがんばって立っている」ということなのです。
この「立っている」というよりは「立ててしまえている」状態は、そのうちに慣れてしまって、それが普通になってしまいます。
そして、そのままハイヒールをはき続けていると、その姿勢が染みついてしまうんですね。
思い出してみてください、初めてハイヒールを履いたときのことを。
けっこう、つらかったはずです。
でも今は?
それほどでもないはずです。
慣れちゃっているんですね。
チェックしてみましょう
ちょっとチェックしてみましょう!
「スニーカーを履いていると疲れてしまうので、ハイヒールのほうが楽です」
そんな人はいませんか?
いま「ドキっ!」とした人は要注意です!!
これは、ハイヒールをはいているとき(悪い姿勢)のバランスを保つ筋肉が発達してしまって、「かかと」の位置が低いとき(正しい姿勢)のバランスを保つための筋肉が弱くなっている証拠です。
スニーカーを履いているときは弱っている筋肉を使うことになるので、疲れを感じてしまうんですね。
思い当たる人、きっと多いと思います。
そして、そういう人は、前述した「弓ぞりタイプ」の姿勢になってしまっている可能性が高いです。
サロンでも姿勢のチェックをすると、「つま先にタコが多い人」は程度の差はありますが、ほとんどあてはまります。
そして、この「弓ぞりタイプ」の姿勢は猫背にもなりやすく、「肩」や「首」のコリにもつながり、コリをとれづらくしている一因にもなっているんです。
このお話は、今度「肩こり」をコラムしたときにでもいたします。
ここで、正しい姿勢のお話しに戻しましょう!
正しい姿勢で立っているときは「足」の前方(つま先)と後方(かかと)に均等に荷重がかかります。
足の裏全部を使って立っているので、部分的な負荷が少ないということはPart1でお話しいたしましたね。
ではどうすれば、正しい姿勢ができるのか?
正しい中心線をキープ
それは、最初にお話ししたようにきちんとした中心線をキープすること!
これに尽きます。
要はバランスですから、中心となる「支点」がきちんとあれば釣り合いがとれるわけです。
そしてその「支点」は「くるぶし」の下にあると考えてください。
「立っている」ときも「歩いている」ときも「くるぶし」の下に、しっかり体重を感じることができれば、前後のバランスはとれているはずです。
(くるぶしを中心に前方に70%、後方に30%の割合が、均等に足の裏に体重がかかっている状態で、バランスがいい状態といえます。)
正しくたつ「コツ」
それでは!正しい姿勢で立つ「コツ」をご紹介します。
まず、まっすぐ「気をつけ」の姿勢で立ちます。
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- 今よりちょっとだけ後ろに倒れる感じで、「かかとより」に体重をかけます。
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- このとき、「かかと」に体重をかけすぎてはダメです。
あくまでも、「かかとより」にかけてみる感じでやってみてください。
- このとき、「かかと」に体重をかけすぎてはダメです。
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- 慣れてきたら「おしり」を持ち上げる感じで「おなか」をすこし引いて腰を伸ばします。
- 今よりちょっとだけ後ろに倒れる感じで、「かかとより」に体重をかけます。
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- 「顔」を正面にまっすぐ向けて、「あご」をまっすぐ後ろに引きます。
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- 「あご」は下に引かずにまっすぐ後ろです。「頭」が「肩」にストンと垂直に載る感じです。
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- 「顔」を正面にまっすぐ向けて、「あご」をまっすぐ後ろに引きます。
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- 誰かに横から見てもらい、「耳」「肩」「股関節」「ひざ」「くるぶし」が直線上に並んでいるかチェックしてもらってください。
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- おひとりの方は鏡で「耳」以外をチェックしてください。
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- 誰かに横から見てもらい、「耳」「肩」「股関節」「ひざ」「くるぶし」が直線上に並んでいるかチェックしてもらってください。
これができてくると「頭」が「くるぶし」の上に乗っている感覚がわかってくるはずです。
その感覚がわかってきたら合格です。
はじめは、後ろに倒れるような違和感たっぷりの感覚ですが、慣れてくるとその違和感もなくなるはずです。
前述した、「スニーカーとハイヒール」の理由と同じです。
さぁ、頑張ってやってみましょう!
正しい姿勢は、「タコ」や「魚の目」のみならず、「肩こり」や「腰痛」にも効果バツグンです!
えっ? 難しい?
う~ん。…!では当サロンにおこし下さい。
フットケアなどの施術を受けられた方には、無料で「骨格チェック」をおこなっています。
…と、さりげなく宣伝(*^_^*)
そして正しい歩行です
あおり運動
まず正しい歩き方ですが、「かかと」から地面に着く!これがキーワードです。
「かかと」から地面に付くと、まず最初に体重を受け止めてくれる場所が「かかと」ということになります。
「かかと」はそれだけの構造になっていて「骨」も「筋肉」もしっかりしています。
次に、足の外側が着地します。
最後に、足の裏全体が地面に着きます。
これを「あおり運動」といいますが、この「あおり運動」がきちんとできていると「かかと」が受け止めた体重を足の裏全体を使って分散することができます。
このことがとても大切で、「タコ」や「魚の目」ができてしまう原因は部分的な過剰な負担ですから、これを防ぐことができるわけです。
「かかと」から地面に着くことをしっかりするためには、「膝を伸ばし、つま先を上に向ける」ことです。
ハイヒールを履いていると…
ハイヒールを履いていると「かかと」から地面に着くことが難しく、「膝」が曲がり「つま先」から地面に着いてしまいます。
「かかと」から着地できていたとしても、しっかり「かかと」に体重を乗せることができずに、「つま先」に荷重がかかったまま歩いてしまいます。
この歩き方だと、前回までにお話ししたように「前荷重」のままですので、「腰」や「首」に負担がかかり、「腰痛」や「肩こり」の原因になったり、「こり」がとれづらくなってきます。
当然、つま先部分の負担が大きいので「タコ」や「魚の目」ができやすくなります。
「外反母趾」や「巻き爪」にも影響してきます。
また、「膝」をのばして歩き出すことは、骨盤に適度な「ひねり」が生じるので腰回りの筋肉を使うことになり、腰の筋肉を柔軟に保つことができます。
そして、「つま先」をしっかり上に向けることが足首の運動につながり、膝から下の筋肉を効果的に使うことができるんですね。
これが、血行を良くし「むくみ」や「冷え」の解消につながります。
どうですか、正しく「あおり運動」ができるとずいぶんといいことがありますね。
ポイント
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- 「かかと」から着地
- 「膝」をのばす
- 「あおり運動」
その他にも、ポイントはいくつかあります。
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- まっすぐ前を見る
- 「つま先」はまっすぐ
- 指先でしっかり蹴る
これらは、「外反母趾」や「巻き爪」にも関係してきますので重要です。
とくに「しっかり蹴る」ことは指先に適度な圧力がかかり、爪を平らに保つことができるので、「巻き爪」を防ぐことができます。
(このことは「巻き爪」のお話しの時にでも詳しくご説明しましょう!)
正しい歩行はそれほど難しいことではありません。
それは、正しく歩くことが当然として骨格が形成されているからです。
正しく歩けないということは、どこかでそれを狂わせてしまう、何かがあったということでしょう。
今、これを読んで「私は正しく歩けてないわ~」と思った方は、少しずつでかまいません。
というより、急激な変化は思わぬ負担となり、関節を痛めたりしますので、むしろ少しずつ練習のつもりで試してください。
とりあえずは、「かかと」から地面に着く!ところからですね!
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
Part1・Part2と二回にわたって、タコと魚の目にまつわるお話をいたしました。
タコ・魚の目はなんなのか?
違いは?
といった疑問は、解決いたしましたでしょうか?
原因と対策である今回お話しした姿勢・歩行は「対処」というより、根本的に解決する大切なことです。
正しい姿勢と歩行は、そのた肩こりや腰痛、外反母趾、ひざ痛。背中の張り…などなど、私たちの健康にとって欠かせないものだと考えています。
この記事を読まれた方が「やってみよう!」と改善に向けて一歩踏み出すキッカケになってくれればと思います!